1年余りの歳月をかけて完成!その物語をお伝えします。

 

こんにちは、代表の石橋です。前回は強烈なダメ出しにより商品企画をスタートに振り戻したお話をさせて頂きました。ハンカチの価値を「1+1+1が10」になるための試行錯誤が続き、ハンカチドールの誕生に至るまでのエピソードとなります。

 

 

明けても暮れてもハンカチのことばかり、、、

 

S君の「ハンカチ、ドライフラワー、メッセージカードの1+1+1が3にしかなっていない!1+1+1が10にならないと・・・」という鋭い指摘を受け、一旦は落ち込んだものの早速気持ちを切り替えて、試行錯誤の日々が始まりました。ハンカチを花びらのように見立てたり、ギフトボックスの形状を工夫したりと頭に浮かんだアイデアはイラストや形状にしてみんなで意見を出し合いました。生地や縫製、飾りなどの製品仕様そのものを見直したり、お客様の使用するシーンを想像してどうしたら利便性がよいかとか、色々な視点で考えを巡らせながら一皮剥けるための糸口探し、アイデアは出るもののそれは変わったハンカチ、おしゃれなハンカチ、使いやすそうなハンカチ、結局ハンカチの範疇でしか無く、似たような感じのハンカチは他社さんでもありそうで、突き抜けるアイデアはそう簡単には出て来ません。それは、まさにもがき苦しんでいる有様です。

それこそ仕事中はもとより、朝のジョギング中、帰宅後のお風呂の中、夕食も就寝前も、とうとう夢の中にまで出てきて、四六時中ハンカチのアイデアを頭の中で模索しておりました。
そんな日々が1週間も続き、ある朝何気にイラストレーターでトルソー(洋服のディスプレイに使用される人形のマネキンのようなもの)を描いて印刷してみました。それにハンカチを着せてみたらどうかなぁ〜って感じで、そこには全く意図がなく、直感的にふと思って実践した行動でした。トルソーにハンカチを一周くるっと巻いてスカートのようにたくし上げ、腰にリボンを巻いてみました。朝の7時半、50過ぎのおじさんがそれを手に持って「あ、可愛い♡」とポツリと呟いて、それはもう考えすぎて頭がおかしくなっているとしか思えない悲惨な状況です。

その人形風に巻いたハンカチをギフトボックスに入れてドライフラワーを横に添えてみました。正直その時の印象はイマイチでしたが、少し可愛らしくなったのでちょっとみんなに見てもらうと思いました。その前に自宅に持って帰って妻に見せたら、「そんなん、売れないよ!」と一蹴。めげずに一人の女性スタッフに見せたら、「全然、響かない・・・」とクールな一言。やっぱなんか違うよなぁということで、そのまま作業机の上に置き去りになってしまいました。

さらに苦悩の日々は続いたある日、リモートで仕事していた女性スタッフが久しぶりに出社しました。置き去りにされていた人形風に巻いたハンカチですが、最後に彼女の反応を見てから片付けようと思いました。
その日のミーティング、商品企画となると話は停滞し一気にムードが重くなります。意見が噛み合わなかったり、議論が続かず沈黙したりと混沌とした時間が流れているときに、その彼女がスマホで何やら一生懸命検索してました。すると「こういうのどうですかねぇ〜」とインスタグラムの写真を見せてくれました。「けっこう、こういうのが今流行っているんですよ!」と、それはケーキが人形のスカートになっているケーキドールというものでした。色鮮やかで華やかで可愛らしい、確かにインスタ映えするものでした。

 

ハンカチドール誕生!

 

それを見て即座に「それじゃぁ、ハンカチドールにしてみたらどうかなぁ?」と思ったのですが、それを言ったらまた冷ややかな反応が返ってくるのが怖かったので、少しミーティングの成り行きを見守りました。そして、ミーティングの時間が終盤に差し掛かる頃、手元にあった人形風に巻いたハンカチを自立させてドライフラワーをブーケのようにして持たせ、「こんなんはどう?!」と勇気を振り絞って切り出しました。すると興奮した感じで「石橋さん、これですよっ!!」「いい、いい!」と今まで重かった空気に一気に光が差し込んで、喝采とともに開放された雰囲気に包まれました。

人形風に巻いたハンカチを寝かして箱に収めると単なる人形のハンカチ。それを自立させることでハンカチがプリンセスとなり、一気に世界が動き出したのです。さらにドライフラワーのブーケを持たせることで一層デザイン性が向上し、何よりもメッセージ動画が再生されるQRコード付きにメッセージカードをプリンセスが大切にお届けに上がるといったストーリーが生まれました。
ハンカチに世界観とストーリーという新たな要素が加わり、それはもうハンカチギフトではなく、思いを伝えるメッセージギフトへと生まれ変わりました。

このクリエイティブジャンプは、スタッフたちの絶妙なスルーパスに対して、たまたま出した私の足にボールが当たってそのままゴールに入っちゃった感じで、みんなの執念が起こした出来事でした。
こうして、ハンカチドールは誕生しました。

その日は7月21日、実は私の24年目の結婚記念日の日の出来事でした。

 

次回は、ハンカチドール開発秘話⑥「最大の難関、ギフトボックス?!」

ようやく誕生したハンカチドール。ハンカチではなく人形になってしまったので、ここまで進めてきたギフトボックスの企画も一からすべてやり直し、、、そんなお話になります。それではまた!

 

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