ブランドストーリー

繊維産業の斜陽化
伝統技術の継承
消滅可能性自治体の未来
桐生市は織物工業都市として発達してきた歴史があり、その復興が町の再建の鍵になると考えてます。
人々の生活の豊かさの実現に対し私達が出来ることを考え、それが社会に受け入れらることで伝統産業、地域社会に貢献していく。
この実践がローズプードルの存在意義です。
伝統産業、町の閉塞感を打開する
群馬県の東部に位置する桐生市は1300年以上続く繊維産業の町。桐生市で製織された織物は「桐生織(きりゅうおり)」と呼ばれ、かつては「西の西陣、東の桐生」と言われるほどで、栄華を誇った時代もありました。

私が繊維業界に入った1991年はまだ生産が盛んで桐生市の基幹産業とも呼ばれておりましたが、アパレル業界の低迷、グローバル化していく生産拠点との競合、生産者の高齢化と、さまざまな要因が背景にあるなかで一向に効果的な策が見いだせず、時間の流れとともに産業が衰退していく様をまざまざと実感してまいりました。
アパレル産業は川上から川下と呼ばれるサプライチェーンを構成しており、桐生市の繊維産業は川上にあり、大手アパレルブランドの下請け的な役割を担っております。90年代のブランドの再編やIT化による流通構造の変化により、アパレル業界全体が斜陽化し、それにともなって桐生市の繊維産業も大きく変わってまいりました。

目まぐるしい時代の変化に対し、私達はアパレル業界の枠から抜け出して新たなビジネスモデルに着手しなければ生き残れないと考え、自分たちで企画して商品づくりを行い消費者に直接販売するDtoC事業を立ち上げました。
この事業を通じて桐生市の繊維業界に新たな流通を起こし、自活出来る力強さと繊維産業の魅力の再構築を目指しております。
また、繊維産業の衰退とともに桐生市の過疎化も加速し、2024年には「消滅可能性自治体」として指摘されております。
年々、産業、町の活力が失われていく桐生市の課題に危機感を感じ、私達が貢献できることを模索し、地域社会だけでなく世の中全体をより良く明るくしていくビジョンを掲げ、持続可能なまちづくりと心豊かな社会づくりを行うことがこのブランドのパーパスであります。
伝統工芸×キャラクターコンテンツ
ある友人が「好きなキャラクターの柄が織り込まれたスニーカーがあったら、絶対買うよなぁ!」と話してました。
そこから端を発して、桐生織の技術でアニメやキャラクターコンテンツを表現したファッションアパレルの開発が始まり、いつしか桐生織の伝統工芸士、織物工場の若手経営者、染色アーティスト、地元商工会も巻き込んだプロジェクトになりました。
プロジェクトではアニメーションやキャラクターコンテンツ好きな30代、40代男女の方々にモニタリングを行い、キャラクターが際立ったものよりもさり気なく表現されたものが欲しいとの意見が多く寄せられました。
さまざまな調査を通じて大人向けのキャラクター市場と高度なファッションとの親和性は十分あると感じ、2016年に桐生織の伝統工芸士と協業したハローキティの着物、2017年にはハローキティの帯を発表し、好評を得ました。


大人向けのキャラクターアイテム
桐生織はあらかじめ染まっているタテ糸とヨコ糸で織って色柄を表現する織物技術です。
生地は「先染め」と「後染め」に分かれ、桐生織の生地は先染め、後染めは白い生地に染色やプリントを施したものを言います。
キャラクターの豊かな表現には、色数や柄の大きさなどに制約がなく自由度の高いデザインが可能な後染めが向いており、キャラクターグッズの世界では圧倒的にプリント製品が主流になっております。
それとは対比して、立体的な表現力と素材感が特徴の桐生織はエレガントで高級感があり、キャラクターをさり気なく盛り込むには適した技法になります。子供向けのキャラクターグッズというよりも大人の女性に向けたキャラクターアイテムとして、ファッション性の高いハイクオリティなアパレル製品といった位置づけになります。
